2009関東アマ地区サーキット結果



2009AJSA関東アマチュアサーキット第三戦は久々の開催となる神奈川県横須賀市うみかぜ公園で行われた。

このパークは横須賀の地元ショップ、「double faith・ダブルフェイス」のオーナーでありプロスケーターとしても活躍中の亀岡裕一が、10年前に市と連携をとり、当時としては稀なパブリックパークとしてオープン、昨今の国内においてブームとも言えるパークラッシュのきっかけとなった草分け的なパークである。

そして現在も彼らの手によってハンドメイドのセクションが随時追加され、決して高級とは言えないものの、時代時代を反映したセクション群は根強い人気があり、パーク内はいつも多くのスケーターで賑わっている。

今回の試合は亀岡氏の計らいで、今年で17回目となる横須賀の市の行事「アメリカンフェスタ」の一環として開催となり、他にもBMX・ストリートバスケット・アームレスリング・グラフティーアート・ジャンベなど、「基地のある街 横須賀」という環境にふさわしい国際色豊かな活気あるイベントで、多くの笑顔溢れる人々で賑わっていた。

アメリカンフェスタの詳しい内容はこちら  http://www.af2009.tk/

主催:アメリカンフェスタ実行委員会
協力:社団法人横須賀青年会議所
公認:横須賀市






では大会の模様をお伝えしよう

ジャッジは超大御所から初参加までバラエティ豊かな顔ぶれ(左から)

西川(YTS)・小野(GOLD WIN)・富田(50−50)・綾野(AJSA)・池ノ上(INSTANT)

そしてMCは今回のイベントの立役者、 亀岡氏(double face)  
TKには急なお願いにも快く引き受けて下さった 美人ママ・杉原氏(FLAKE)

今回のエントリーは46名、練習時間でもキッズライダーがかなり目立っていて、大人はやや躊躇しているように見えたが、こういった場では同じ条件でのルールなのだから、遠慮なくラインを取っていってよいだろう。

予選ではほぼ順当なライダーが活躍し決勝へコマを進めたが、実力はあるのに残念な結果になってしまったのが本庄飛龍(double face)と山口健児(ムラサキ原宿明治)、両者とも個々のスキルは非常に高いのだか、トリックの難易度が高すぎるのかメイク率が悪くポイントが伸びなかった。

決勝組の殆どが実力を抑えた手堅い滑りで確実なポイントを稼ぎ、予選を抜けていったのと比べれば、こういったライダー達が予選で姿を消すのもルール上は仕方なしだろう。

1分のポイント制というルールをよく理解し、試合用のスケートができるようになれば、彼らのようなライダーが確実にメダル獲得に絡んでくるはずだ。

諦めずに是非来シーズンも頑張ってもらいたい。

また東北地区で小学生にしてアマ戦3連覇の偉業を遂げた根岸隼都(Trick Star)も参戦していたのだが、体調が悪かったのかセクションとの相性が良くなかったのか、全くポイントが取れずに予選落ちとなってしまった。

11月にX-DOMEで行われるアマチュア王座決定に向けて密かにチェックしていたライダーもいたようだが、実力を計るには至らなかったようだ。

さて、こういった順当なメンツでの決勝となったわけだが、決勝選手中7割以上が小・中学生という部分は関東ならではの相変わらずの結果だ。

大人が不甲斐ないのか、子供が上手すぎるのか、はたまたスクールが充実しているのか・・・・これは近年よく話題になる部分で、どれも確かに当てはまる部分はあるが、もっとほかに注目すべき部分が実はあるようだが、話が逸れてしまい過ぎるのでこの話はまたの機会ということにする。


決勝組はさすがに練習量が豊富で作戦もしっかりとしたライダーが殆どだった。

表彰台を逃した9位〜16位のライダー達も、ポイントこそミスが重なり伸びなかったものの、個々に光る部分が随所に見 受けられ、思わず「3本目を期待」と思わせる滑りだった。まあルール上3本目は無いのでありえないことなのだが・・・。

そしてこの接戦の中8位に入賞したのが西村亮太(ムラサキ八王子)

スピード・高さ・スタイルと、特に難を感じないバランスの良いルーティンで着実にポイントゲット、エアーやオーリーなどの飛び技が好評だった。

7位は岸海(ムラサキ八王子)

今年度、各地区のAJSAアマで名を馳せたスーパーキッズ、「小さな巨人」との異名をとる程の存在感となった。

今回は怒涛のメイクラッシュが影を潜め、得意分野のアールもクセのあるものばかりで攻めきれず、ジャッジへのアピール力が今一つだったようだ。

今後は色々なパークセクションと相性のいいトリックを見つけ出すことができれば、安定した結果を出すことができそうだ。

6位、西川礼(カスタム)

落ち着きのあるマイペースな滑りから、他のライダーとは違ったトリックチョイスで見事入賞、これにスピードが加われば個々のポイントも上がりトリック数も増え、さらなる高ポイントが狙えるだろう。このスタイルで優勝を狙うなら、あと2トリック以上を決める工夫がほしい。

5位、桑本透伍(ムラサキX-DOME)

彼もまたAJSAの多くの試合で活躍するライダーだ。今回もその実力を惜しみなく高さのあるオーリートリックで会場を沸かせていた。

本人にとっては残念な順位だったろうが、ギャラリーへのアピールは充分だったように思える。

4位、内藤寛人(カスタム)

いろいろなセクションでいろいろなトリックを決め、お手本のようなルーティンでうまくまとめ上げ、AJSAでは自己最高順位をマーク。ポイントとしての絶対評価では良い滑りだったのだが、他のライダー達と比べるとオリジナリティがやや乏しかったようだ。

レベル的にはとても高いので、それをこれからどう着色していくのか楽しみだ。

3位、佐川海斗(50−50)

関東地区において、岸海と双璧を成すスーパーキッズ。今回もその実力が充分に発揮され高得点をゲット、順位こそ3位に留まったがとても良い内容だった印象がある。本当にクセがなく、「万能型」という評がふさわしい。11月に行われるアマチュアチャンピオンシップでも活躍が予想される。

2位有馬昴希(ダブルフェイス)

もともとキックフリップに定評のある彼だったが、今回は地元パークとあって、その実力を存分に発揮、小学生のレベルでは断トツのバネとスピードでコースを縦横無尽に駆け回り、こちらもAJSAでの最高順位をマーク。気迫溢れるスタイルはジャッジ陣に高評価だったようだ。

1位王懐萓(ダブルフェイス)

一撃必殺!そんな言葉がふさわしい滑りだった。通常、AJSAなどで行われる1分トライのルールでは、いかにミスをせず難易度の高いトリックを多く決めるかがセオリーなのだが、彼にはそういった基準がなく、得意のレールに照準を定め、その一点にプロをも凌ぐ完成度高いトリックを何度も叩き込んだ。読者の中には「なぜミスの目立った彼が優勝?」と疑問に思う方もいるだろうが、それだけ彼のレール捌きは群を抜いた素晴らしさがあったとジャッジが感じたのだろう。

表彰式・プレゼントタイム










これで2009年度AJSA関東サーキットは全戦終了となり、サーキット運営にあたり今年度も多くの方々の協力があったことを心より感謝いたします、ありがとうございました。

次はいよいよ11月21〜22日にX-DOMEで行われるアマチュアチャンピオンシップとなる。

関東地区からのライダーが活躍することを願ってます!

テキスト/後藤大輔  写真/平沼孝之・後藤大輔







2009年、AJSA関東アマチュアサーキット第一戦は神奈川県藤沢市の湘南海浜公園スケートパークで開催される予定であったが、開催日・予備日共に雨天のために中止となり、今回は千葉県市川市の塩浜第二公園スケートパークでの試合の模様をお伝えしよう。

この日は絶好の晴天に恵まれ、また、地元のスケートショップ・インスタントの協力により近年稀な多数のライダー・ギャラリーが参加し、熱気溢れるムードの中で試合は進行していった。







ジャッジは前回のエレメントプロ戦でチーフジャッジを務めた富田誠(50−50)を筆頭に、亀岡裕一(ダブルフェイス)・奥村氏(ソニック)・池ノ上慶太(インスタント)・赤熊寛敬(インスタント)と、いずれも関東地区を支える現役ベテランライダーが揃い踏み、MCは多くのスケートイベントでお馴染みの名MC、本間章朗(インスタント)が参加してくれた。




この通称「塩浜パーク」はスケートライトとコンクリートのセクションが混在するパークで、設営も新しくコンディションは良好、セクションの種類も豊富でバランス良く設置されているので、初めて訪れたスケーターでも対応しやすいパークとなっている。エントリー数は近年最多の71名、その多くが地元インスタントからのエントリーであることから、このエリアのスケーターへの影響力・貢献度が伺える。

また、彼らは、ギャラリーも含め全てのライダーに惜しみない拍手と声援を送り、この試合を盛り上げた一番の貢献者達と言えよう。

こういった素晴らしい雰囲気の中で行われた試合だが、予選では相変わらず昨年からの常連組が圧倒的に強く、予選上位には過去の優勝経験者たちがずらりと並んだ。



決勝ではパーク慣れしたキッズ達が、細かいトリックながら驚異のメイク率で次々とポイントを重ね大人組みを圧倒、なんと上位8名中5人が小学生、二人が中学生という結果になった。

決勝結果は8位に平田思栄、AJSAでは初めて見る顔だが、小学生ながら基本的なトリックをきっちりと身につけており安定したライディングだった。まだまだ伸びる要素はたくさんあるのでこのまま楽しんでスケートを続けてもらいたい。

7位、井坂篤史、表彰されたライダー中、唯一の20代。

スイッチトリックがひと際目立ちメイク率も良かったのだが、内容がシンプルすぎたせいかポイントが今一つ伸び悩んだ。

6位、小林紗輝、バランス良く構成されたルーティーンワークやトリックが印象的。おそらく、かなり上位選手を研究した成果だろう。今後オリジナリティが加わればさらにジャッジ評価は上がりそうだ。

5位、井狩太海、先の関西サーキット火打形戦で優勝したのが記憶に新しい。今回も彼の地元千葉での開催とあって手本のようなルーティーンが冴えた滑りだったが、決勝では痛恨のミスでポイントを伸ばせなかった。ベテランスケーターをも唸らせるスタイリッシュさが魅力的なライダーだ。

4位、桑本透伍、昨シーズン関東アマ戦で最も好成績だった彼だが、全日本アマは不出場、プロへの昇格もキャンセル、今年は改めて仕切り直しの年となった。オーリーとエアトリックは抜群の高さとメイク率を誇り、これだけでも十分な存在感があるのだが、最近ではフリップトリックにもだいぶ磨きがかかってきたようだ。こちらもまた痛恨のミスに泣き残念ながら優勝を逃した。

3位、西川誠、スピード・パワー・スタミナにおいては誰もが認めるアマチュアトップクラス。決勝でもオールメイクでハイレベルな滑りを披露してくれたが、上位とは僅差でこの順位。スピードを維持するために間合いを取る分、トリックがやや少なかったのが原因だったようだ。だが間違いなくトリックレベルは高かったので、気を落とさずにそのあたりの作戦を練り直して次回の試合に臨んで貰いたい。



2位、佐川海斗、昨年からかなり注目していたライダーだが、予想を大きく上回る急成長を遂げて今試合での活躍となった。どのトリックもかなり練習を積んでいるようで、高い完成度とスピードで次々とメイク、これからさらに経験値を上げてどういったスタイルを作っていくのかとても楽しみだ。



そしてこの並みいる優勝経験者を抑えての1位は、なんと小学3年生の岸海。身体能力のスペックが他の入賞選手に遠く及ばないとの判断か、大技での勝負は避け、持ち前の器用さと集中力で細かいトリックを次々と決め、計算され尽したポイント加算で優勝した。まさに「試合での滑り」といったところだ。今後この怒涛のポイント加算に「魅せ方」が加われば、プロをも脅かす存在となりそうだ。



表彰ライダー、左から1位


優勝の岸海



また、決勝終了後の集計時間中にインスタントとe’S(ソニック)の協賛で、BOXを使用したベストトリックコンテストが行われた。

このベストトリックで優勝したのはKickfrip toBS K-grindをメイクした山口健児だった。

こういったストリート要素の強いワンメイク対決と、なるとやはり20代が強いようだ。

次回第3戦は9月20日、神奈川県横須賀市うみかぜ公園スケートパークで開催となる。

文/ 後藤大輔   写真/ 杉原治朗・後藤大輔





 残念ながら予備日も雨天のためキャンセルとなりました。