PHOTO&TEXT by GBvert


Kazuki Tatemot

いよいよプロ最終戦
この大会で全てのポイントが決定、プロ5戦が終わろうとしている。



大会会場は最近マイナーチェンジを繰り返しているパーク、
ムラサキスポーツ Map's TOKYO


大会開催日当日に突如姿を現した鬼のハンドレールセクション、誰が攻めるか楽しみだ。
セクション数がかなり多いこのパークで、どの組み合わせでラインをとるかにより印象はガラリと変わる。
同じトリックでも、どの場所で繰り出すかで難易度が全然変わってくるこのパークでいかに自分の色を見せるか。
最終戦、16人の選手が全ての力をこのパークに注いだ。



まさかの才哲治の予選落ちにはびっくりしたが、みんな良い滑りをしていた。
順位に関係なく決勝進出しなかったスケーターの滑りも記憶に残ってる。
そういう滑りができれば良いと思うし、実際現場にいなければ感じられない物が沢山あるので
是非皆様の会場に足を運んで頂きたい。

ということで、
決勝の報告。

8位:桑本透伍


バネ、スタイル共に持ち合わせた注目株の透伍。
滑りに華を持っている彼はまさにエンターテイナースケーター。
今回も会場を沸かし、何かしてくれると期待される滑りをしていた。
今後の大会で、もし繰り出すトリックが全部メイクしたときにどんな順位になるか、に期待!
スパインでのB/S360の高さも見事だった。


7位:立本和樹


現Map's東京の管理人で、今大会の鬼ハンドレールセクションの設計者でもある。
いくつも引き出しをもっていて、自分の順番になってからラインを決める粋な九州男児。
繰り出すトリックも大きく、ここぞという所で決めてくる本番に強い彼は長年のプロの貫禄を感じさせる。
もちろん自身の設計レールも攻めた人の一人。パークの地形を活かしたトランスファーポイントをいくつか攻めて、見ごたえのあるスケートをしてくれた。


6位:佐川海斗


飛び、回し等、全体的にバランス良くまとまっていた。
RtoバンクでのF\Sクレイル360にスタイルあり。
さらに自信と勢いがついたら尚良し。
今後もどれだけスケートの差別化ができるか、に期待。


5位:井狩太海


流れるライディングでひたすらパークを回りまくる
基本のルーティンラインをもっていていいと思うが、いいものを持っているので
今後はさらに臨機応変な、周囲の意表をつくスパイスが欲しい。
B/S、F/Sスミスやリップスライドで流しながら、最後はクォーターでハンドプラントを決めていた。渋い。


4位:米坂 淳之介


長年のファイナリスト。
これぞプロという堂々とした振る舞いや、「乗れてる度」は出そうと思って出るものではない。
オーリーだけでも人を唸らせる力をもっている魅力を持つ彼、
シンプルなトリックにも深みがあり、同じ技でも彼の違いを感じさせる。
スパインのフェイキーオーリー越えシャッフルは発想からして流石。
このままいつまでも若手を引っ張っていってほしい。


3位:松木愛瑠


エアー系等とても非常に安定していて、小さな体が大きく見えた。
飛び系の技で全体を流し、所々で大きく動きながら回し系を入れていた。
バランスがよく、今後にも期待。慣れないパークなのに自由に泳いでいて、
さすが寒河江のパークを普段流してるだけある。
オーリーワンフットでのRtoバンクは毎回魅せられた。
それでいて静の滑り


2位:西川誠


まるで猛牛のようにパークを縦横無尽に走りまわる激しい動きには、つい誰もが注目してしまう。
その途中で繰り出されるトリックも他人がやらないトリックが多く、近年はマコト独自のワールドが確立してきた。
スケートボードならではの「個性が生きる滑り」を今後も磨いていってほしい。
10fクォーターのフロントピボットやスパインのミラーフリップ越えなど、スピードを緩めることもなく披露していた。

優勝:瀬尻稜


稜は今年も強かった。複合トリック、難易度、完成度に申し分なし。
レールでの複合トリックやノーリー360等、沢山の自分技が見れた。ノーズプラント・インは絶品。
さらに贅沢言えば、これにスタイルやエンターテイメント性が磨かれたら何も言うことはない。
総合優勝を手にし、今年のAJSAプロ戦は終了となった。
今後の海外の動きにも注目な日本人ライダーの一人である。





2年連続3回目の日本チャンピオンに輝いた瀬尻稜


今回は見所たくさんの大会であった。
熟練のプロも多く、ギャラリーも楽しめる大会だったのではないか。
このような大会に、スケート関係者に合わせ、一般の方々の観客にもっと多くお越し頂き、
スケートボードの世界をより理解してもらえる日常社会を作って行きたいと思う。
そして最後に、これからもプロはプロとして見せ所、個性を出しつつ、存在を堂々とアピールして行って欲しい。












また、同日の表彰式前に12歳以下のノンスポンサーを対象としたミニランプコンテストが
DCの意向によりサブイベントとして開催された。


出場資格が逆の意味で制限されたこのイベントだったが、繰り出されるトリックは何気に難易度が高かったりする。
総勢32名のエントリーの中から勝利を勝ち取ったのは小幡ショーン、DCシューズ1年分をゲットした!